【専門家に聞いた】1月のクマ目撃9件...冬眠の仕方を知らない子グマ・人とクマの生活圏の近さが課題 山形
2026年に入っても目撃されているクマ。雪が降ってもなお続くクマの出没について、専門家に話を聞いた。
県内のクマの目撃件数は、2025年10月が841件、11月が557件、12月が97件と、最も多かった2025年10月から大幅に減っているのがわかる。
しかし年が明けた2026年、1月11日時点で9件目撃されている。
クマの生態に詳しい森林総合研究所の大西尚樹さんに、雪が降るこの時期にもなぜクマが目撃されているのか聞いてみると...。
(森林総合研究所・大西尚樹さん)
「冬の間一度も冬眠しないクマは日本にはいない。いま目撃されるクマは、冬眠が遅れているクマか、1回冬眠して穴から出てきてちょっと動いている可能性もある。正直どちらかはわからない」
大西さんによると、ほとんどのクマが11月に冬眠を始めるが、いい餌場を見つけて12月も冬眠せず"年越し"したクマもいた可能性がある。
またクマは「周囲の音が気になって穴から出てくる」など、冬眠中でも行動する場合があるという。
2025年、異常なほどに目撃数が増え、私たちの生活圏の近くに出没するようになったクマ。
「冬眠する場所も近くなっていると考えていい」と大西さんは話す。
(森林総合研究所・大西尚樹さん)
「私たちの生活圏のすぐ近くで冬眠をしているということは、そこから出てきた時も目撃されやすかったり、ちょっと動いた時に市街地に入ってくる可能性がある」
また大西さんによると、クマは本来1年半ほど親子で過ごし、季節ごとの暮らし方を母グマから教わるそうだが...。
(森林総合研究所・大西尚樹さん)
「初めて迎える冬の過ごし方を教わる前に母親がいなくなってしまったので、うまく冬眠の仕方を教わっていない。そうするとどこで冬ごもりをすればいいか、どうしたらいいかわからずにウロチョロしたり、我々の家の物置きの中でうずくまっている個体が目撃される可能性はある」
冬眠する時期になっても目撃が相次ぐクマ。
大西さんは、人とクマの生活圏の近さがこの現状を引き起こしていると指摘する。
(森林総合研究所・大西尚樹さん)
「冬眠していない個体かどうかは現状ではわからないが、少なくとも数が増えてクマの分布域が広がり、生活圏のすぐ近くで冬眠しているクマが増えているという現状を考えると、冬の間でも目撃があるのはおかしくない」
13日に庄内空港の近くで、体長50~60センチの子グマが目撃された。
空港の近くは音がうるさいのに、なぜ怖がらずにクマがいるのか疑問だが、大西さんによると、「高速道路・空港などの近くで生まれた子グマにとっては、その環境が"当たり前"なので、音がうるさくても気にならない」という。
クマがいないはずだと思っている場所にクマがいる場合もあるため、十分に警戒してほしい。