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【衆院選/もっと投票の前に】消費税減税は日本の方向性を左右 メリット・デメリットを専門家に聞く 山形

投票の選択肢となる情報をお伝えする「もっと投票の前に」。多くの政党が物価高対策として掲げる「消費減税の公約」について考える。

まずは県内の小選挙区と比例東北ブロックに候補者を擁立している各党の公約を見てみる。

与党の自民・維新は、「食料品の消費税率を2年間ゼロにする検討を加速する」
一方、同じ「食料品の消費税ゼロ」でも、中道は「恒久的に」「秋から」実施するとしている。

国民民主は、「一時的な措置として、食料品以外も一律5%に減税」
共産は、「一律5%でその後、廃止」
参政は「廃止」
そのほかの党は映像の通り。

多くの党が公約に掲げ、大きな争点となっている「消費税減税」だが、莫大な財源はどうするのか? 本当に実現可能なのか?
専門家に聞いた。

そもそも、今回の選挙で各党がこぞって「消費税減税」を打ち出した理由を、東北大学大学院の吉田浩教授はこう指摘する。

(東北大学大学院・吉田浩教授)
「どこかの党が『下げる』と言い、自分の党が下げないとなると、"減税せぬ党は悪い党"みたいなイメージになってしまって、税金の引き下げ競争・バーゲンセール」

各党が掲げる消費税の減税案を見てみると、減税の規模が小さい順に、「年間約5兆円」「15兆円」「31兆円」の財源が必要になると試算されている。

2025年度の日本の年間予算は約115兆円。
もし消費税を完全に廃止した場合、国の予算の実に4分の1が減る計算になる。

これを補うために、各党が考える財源確保策は...。
自民・維新の与党は、歳入・歳出の見直しで、2年分の財源は確保できるとしている。
中道は、国の資産を運用する「政府系ファンド」を新たに作り、運用益を恒久財源に
あてるとしている。

国民民主は、税収の上振れ分や、国が持つ資産の運用益を活用。
共産は、大企業や富裕層への課税強化を主な財源とする。
参政は、国債発行も選択肢だとしている。

(東北大学大学院・吉田浩教授)
「自民党は『歳出削減・見直し』と言っているが、支出を下げるということ。社会保障関係に手をつけないままに歳出削減は難しい。中道が訴える基金(ファンド)も、天から降ってくるわけではないので、もともと運用していたところの減らされる部分はどうするのかという心配がある」

吉田教授は、そもそも現在の物価高は、たとえばコメ不足など「商品を作る側」と「買う側」のバランスが崩れていることが要因と指摘。
よって、仮に消費税減税で「買う側の力」だけを高めても、根本的な解決にはならないと考えている。

(東北大学大学院・吉田浩教授)
「今まで3000円台のコメが5000円台になった。消費税がなくなると、4000円台くらいになるので、『コメ買えるな』とみんなが買いに行くと、コメが品薄になって、コメ本体の価格がじわじわ上がっていく。作る側のたくさん供給できる態勢が整っていない状態で、買う力だけを上げてしまうと、コメ不足に拍車がかかり、ますます物の値段が上がっていく」

多くの党が物価高対策として公約に掲げている「消費税減税」
実現すれば、もちろん短期的には家計の負担が抑えられることは大きなメリットだが、吉田教授は消費税減税にはデメリットもあるという。

(東北大学大学院・吉田浩教授)
「消費税は税の中ではトップ、1位の主要な税収。トップの消費税を減税でドンと下げると、トップの支出の社会保障も見直しせざるを得ない。もともと消費税を増税する時に、"全額を社会保障の充実のために使う"という話で上げている」

消費税の税収は、ほとんどが私たちの医療や年金・介護など「社会保障の財源」として使われている。
そのため長期的にみると、将来自分たちが受ける年金や医療・介護の質が低下するリスクが、消費税減税のデメリットとされている。

吉田教授は、私たちが消費税減税のメリット・デメリットをわかった上で、どの党に投票するかを考えることが重要だという。

(東北大学大学院・吉田浩教授)
「今回の選挙は、日本の方向性をはっきりさせる大きな選挙になると思う。重要性を理解してほしい」