今年3月、山形鉄道など県内企業数社が不正送金の被害にあった事件で出し子とみられるベトナム国籍の男が逮捕されていたことがわかった。

窃盗の疑いで逮捕されたのは、大阪市に住むベトナム国籍のファム・タン・トゥン容疑者36歳。ファム容疑者は、外国人名義のキャッシュカード4枚を使い、不正に送られた現金合わせて350万円を4回にわたって引き出し、盗んだ疑い。
今年3月山形銀行を語る自動音声の不審電話が県内の企業で相次ぎ、ネットバンキングによる不正送金の被害が出た。

ファム容疑者がかかわるグループは今年3月10日に、フラワー長井線を運営する山形鉄道に対し、およそ1億円をだまし取った疑いがもたれている。県警が不正送金の流れをたどり、防犯カメラ映像などを捜査していたところ、ファム容疑者が大阪市内の金融機関などで350万円を引き出していたことが発覚し、逮捕に至った。

県警によると、ファム容疑者が引き出して盗んだ350万円は、山形鉄道から盗まれた現金は含まれていない。県警は、ファム容疑者が企業をだまして金を引き出した詐欺にどこまで関与したか捜査するとともに、組織的な犯罪とみて詳しく調べている。