遊佐月光川水系でサケ不漁...記録的不漁だった2024年の3割程度「保護しないともたない」 山形・遊佐町
遊佐町ではサケが不漁で、記録的な不漁となった2024年の2~3割しか捕れていない。これは温暖化の影響とみられていて、関係者はサケを保護しないと事業がもたないと不安の声を上げている。
遊佐町直世(すぐせ)の箕輪鮭漁業生産組合。
この採捕場では、月光川水系の清流・牛渡川に金属製のワナを設置し、遡上(そじょう)するサケを捕り採卵。
受精し、ふ化した稚魚を育てて放流する"人工ふ化事業"を行っている。
「サケは川に戻って来ないと絶対に増えない。いなくなるだけ。海では産卵しないから、川でふ化させることが何よりも重要」
ここで放流する稚魚は例年800万匹に上るが、川に戻るのは0.2%程度。
さらに2025年は、サケの数が激減しているという。
(箕輪鮭漁業生産組合・佐藤仁組合長)
「去年が過去にないくらいの不漁だった。不漁だった2024年の約3割しか遡上していないので大変厳しい状況」
箕輪の採捕場で10月末までに捕れたサケは293匹。
過去最少だった2024年の同じ時期は959匹で、わずか3割にとどまる危機的な状況といえる。
同じ月光川水系の桝川の採捕場も同様の傾向で、2024年の2割程度の量にとどまっている。
(箕輪鮭漁業生産組合・佐藤仁組合長)
「温暖化による海面の環境の変化。サケは高水温を嫌うので、海水温が高いとどうしても遡上しにくい状況」
サケの遡上は、水温が下がるこれからが本番で、関係者からは不安の声が聞かれる。
(箕輪鮭漁業生産組合・佐藤仁組合長)
「とにかく川にサケが遡上しないと採捕・採卵が出来ない。まずはサケを守ること。資源の確保・保護をしてもらわないと人工ふ化事業はもたない」
月光川水系の3つの組合は国・県にサケの保護を要請していて、温暖化に対応しながら貴重なサケを守っていきたいとしている。