緊急銃猟で居座りクマ駆除「ぞっとする」食べ物探したか厨房など広範囲に荒らされる 山形・米沢市滑川温泉
7日朝、米沢市にある滑川温泉の旅館にクマが侵入し、1階部分に居座った。その後、クマは市町村の判断で発砲を許可する緊急銃猟で駆除された。県内では初の緊急銃猟。
7日午前7時半ごろ、米沢市にある滑川温泉・福島屋から、「旅館の1階にクマが居座っている」と110番通報があった。
この旅館は11月から冬季休業中で宿泊客はおらず、経営者の家族3人がいたが、警察により救助されけがはなかった。
旅館に居座っていたクマは体長約1.2メートルのオスの成獣で、午前11時50分ごろ、旅館の廊下にいたところを市町村の判断で発砲を許可する「緊急銃猟」で駆除された。
県内では今回が初の緊急銃猟。
(リポート)
「緊急銃猟で発砲を受けたクマは、銃弾を受けて少し歩き回って、こちらの階段の前あたりで倒れていたということです」
(米沢市 市民環境部・遠藤直樹部長)
「建物の中にずっと居座っている状況だった。このままでは旅館の人が中に入れない。そういう意味で緊急性があった」
市職員の案内で旅館の中を見てみると、障子は大きく引き裂かれ、階段の板がはがされるなど、クマに荒らされた跡が生々しく残っていた。
(リポート)
「旅館の厨房ですが、クマが荒らしていた形跡が生々しく残っています。食べ物を探したのか、広い範囲でたくさんのものが荒らされています」
旅館の笹木社長によると、クマは6日夜から旅館の外をうろつき始め、中に侵入しようとしていたという。
(滑川温泉福島屋・笹木和夫社長)
「中からバリケードを築いて、クマが入れないように努力した。防ぎきれないと思い一時避難した」
侵入を防ぎきれないと判断した社長たち家族3人は、防火扉で仕切られた区域に避難。
一夜明けると、自分たちが普段寝ている部屋の前にクマがいた。
笹木社長は、「もし避難していなかったらぞっとする」と、恐怖を口にした。
(滑川温泉福島屋・笹木和夫社長)
「クマの侵入はニュースでよく見るが、まさかここであると思わなかった。実際今まで何もなかった。クマは遠くで見るものだと思っていたが、こんなに近くに来るとは考えもつかなかった」
米沢市は、ほかにも市内各所でクマが目撃されていることから、夜間・早朝の外出を控えるなど、注意を呼びかけている。