スーパーコンピューター「京」「富岳」開発した鶴岡工業OBが講演「限界は環境・思い込み」 山形
世界最速を誇った日本のスーパーコンピューターの開発に携わった技術者の講演会が、鶴岡工業高校で開かれた。じつは、この技術者は鶴岡工業の卒業生ということで、生徒たちは先輩の貴重なアドバイスに聞き入っていた。
鶴岡工業高校の創立105周年を記念して開かれた講演に招かれたのは、世界最速を誇ったスーパーコンピューター「京」「富岳」の開発・運用を手掛けた、国立研究開発法人理化学研究所の庄司文由さんで、鶴岡工業の卒業生。
スーパーコンピューターは、近年は「線状降水帯」の予測などに使われている。
庄司さんは、スーパーコンピューターに最も求められているのは"使いやすさ"で、現在は次世代のスーパーコンピューター「富岳ネクスト」の開発を行っていることを明かした。
さらに庄司さんは人工知能・AIの進化によって「年齢や国籍・学歴も関係なく発見や研究ができる時代」と話し、生徒たちに次のように呼びかけた。
(庄司文由さん)
「自分のできることはこの辺までかなと考えていると思う。自分も高校生の時そうだった。それは周囲の環境が決めている。そこから一歩出てみる。当時思っていた限界など、限界でもなんでもなかったと後で気づく。限界はまわりの環境や思い込みでしかない」
生徒たちは最先端の研究を続ける先輩の貴重な経験とアドバイスを、自分の将来像をイメージしながら聞き入っていた。