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海外に渡った文化財「芦雁図屏風」芸工大で初の修復 文化・価値観の違い乗り越える3年プロジェクト 山形

第2次世界大戦の前にポーランドへ渡った日本の「屏風」が里帰りした。少なくとも200年以上の年月を経て傷んだ作品を、東北芸術工科大学が3年かけて修復する。

ポーランドのポズナン国立博物館に収蔵されている「芦雁図屏風」は、18世紀~19世紀にかけて作られたもので、6枚の絵が連なっている。
描かれているのは、水辺にたたずむ植物のアシと鳥のガン。
左右が対になっている作品は、ポーランド国内に唯一残るものだという。

(リポート)
「このように大きく破れたり、本来くっついている部分が別れているなど、大きく破損しています。これから3年かけて素材を生かして修復していくということです」

修復にあたるのは、東北芸術工科大学の「文化財保存修復研究センター」。
破れやカビ・シミなど、約200年の間に傷んだ作品を修復する。

(東北芸術工科大学 文化財保存修復研究センター・元喜載准教授)
「日本の材料と技術でもう一度よみがえらせて、再び海外で日本の文化を教えられるような活用の仕方ができたら一番いい」

美術品の修復方法については、それぞれの国で考え方が異なる。

屏風に描かれた「本紙」と呼ばれる絵。
日本ではこの部分を“作品”と考え、大規模な修復をする際には「本紙」以外の部分は
新たな素材に交換する修理方法が広く採用されている。

一方、ポーランドでは「本紙」だけでなく、縁や裏に貼られた紙など、屏風全体に価値を見出している。

(ポズナン国立博物館・ヨアンナ・ココッチ修復師)
「作品だけでなくすべての素材が重要。私たちはこの作品から日本を知ることができた。ポーランド人はこの作品を見て“本紙”だけでなく全体を作品として扱った。“本紙”だけでなく生地などすべての要素を鑑賞した。私たちは屏風の周辺部分も芸術の一部ととらえ保存している」

日本の修復技術と、ポーランドの価値観の融合。
「芦雁図屏風」は約3年をかけて修復され、帰国後、約100年ぶりにポーランドの国立博物館で展示される。

(ポズナン国立博物館・ヨアンナ・ココッチ修復師)
「待ちきれない、博物館の全職員が同じ気持ち。アジアンアートの大きな展示会を開く予定で、この屏風を展示会の目玉として展示したい」