3年前の豪雨で被災し、一部区間で運転見合わせが続いている米坂線の復旧を検討する会議で、JR側はあらためて「JR単独での運営は厳しい」としたうえでバス転換のメリットを強調した。
JR米坂線は3年前の豪雨で被災し、長井市の今泉駅と新潟・坂町駅の間で運転見合わせが続いている。
JR東日本や沿線の自治体による復旧に向けた会議では、「JRによる運営」「上下分離方式」「第3セクターへの移管」「バス転換」の4つを軸に検討が進められているが、沿線自治体側はあくまでも“鉄路での復旧”を求めている。
<地元の負担額>※JR試算
上下分離方式 年間最大17億円。
第3セクターへの移管 18億8000万円
バス転換 1億9000万円
27日に開かれた6回目の会議で、JR側は鉄道として復旧しても利用者が少ない状況からは抜け出せず、施設の維持や管理などの課題があることから、あらためて「JR単独の運営は難しい」と強調した。
その上で示したのがほかの3つのパターンで復旧した場合のイメージ。
いずれも費用の負担に加え、施設を維持管理する組織の立ち上げ・運行事業者の確保が課題であるとした。
その一方で「バス転換」については、一部費用の負担はあるものの復旧工事がなく、「集落や病院・商業施設に合わせた停車」「送迎拠点としての道の駅の活用」などメリットが多いとした。
(JR東日本新潟支社・羽中田淳企画総務部長)
「バスについても米坂線沿線における事業所の有無・人手不足の課題がある。実現可能性についてはそれぞれメリット・デメリットがある。地域の交通のあり方は我々JR東日本だけでノウハウなどは持っていないので、各県と相談しながら進めている」
しかし沿線自治体が“鉄路での復旧”を求めていく考えは変わらず、県の担当者は次のように述べた。
(県みらい企画創造部・會田淳士部長)
「残りの3案を検討しないわけではなく、メリット・デメリットをしっかり見させていただきながら、地元自治体での検討がしっかり進むように、県としてもJRに協力していきたい」
“鉄路での復旧”を目指す考えは新潟も同じで、「地域の自治体が判断できるような材料を整えていくことが必要」としている。