山形新幹線の新型車両・E8系に故障が発生してから1カ月あまり。ようやく故障の原因が明らかになった。原因が究明できたことで、山形新幹線は8月1日からほぼ通常ダイヤでの運転を再開する。
6月17日、山形新幹線・E8系の複数の列車で相次いで発生した補助電源装置の故障。
JR東日本は22日、原因の調査結果を発表した。
それによると、特定の時期以降に製造された半導体の部品と制御基盤の組み合わせで、従来の補助電源装置よりも大きな制御電流が流れることが確認された。
このことで制御回路にも従来よりも高い電流が流れ、周囲の温度が上昇。さらに気温の高さも影響することで、最終的に半導体の部品が損傷し、電力供給が止まることがわかった。
故障したE8系車両は、再発しない対策を行った上で順次営業運転を再開するという。
これにより山形新幹線は8月1日からほぼ通常ダイヤで運行を再開する。
8月1日以降ですでに運転が決定している列車については、23日から順次指定席の販売が始まる。
また、JR東日本による山形への観光誘致策として、グループ会社の旅行商品に宿泊で利用できる5000円の割引クーポンが設定されている。
大規模運休が長引いたことで、県内の観光地では予約客が減るなどの影響が出ていることから、県は22日から中小企業の金融相談を受ける「特別金融相談窓口」を設置している。
ようやくの運行正常化は、指定券が取れない・乗り換えが面倒などといったユーザーの不安が払しょくされることになり、山形の観光・経済にとっても追い風になるだろう。
花笠まつり・お盆を前に、山形にとっての大動脈の復旧がなんとか間に合った形だ。