去年7月の豪雨で救助要請の対応に向かって殉職した巡査部長の両親が、県に対し慰謝料などを求めた裁判の第1回口頭弁論が開かれた。県は請求の棄却を求め争う姿勢を示した。
去年7月の豪雨では市民からの救助要請を受けてパトカーで現場に向かった新庄警察署の警察官2人がパトカーごと流され、その後遺体で見つかった。
訴えを起こしたのは殉職した巡査部長の両親で、訴状によると駆けつけた現場は人的被害が予想され、ライフジャケットを着用していれば命が助かる可能性は高まったと主張している。
パトカーにライフジャケットは常備されておらず、警察の安全配慮義務違反と警察官の死亡には因果関係があるとして、県に対し慰謝料など3160万円あまりの支払いを求めている。
遺族は訴状で、「仮に勝訴しても殉職した息子は生き返るわけでもなく幸せになるわけでもないが、訴えを通じて警察官らの命と安全が確保され、より良い警察組織になることを望む」としている。
これに対し県は、答弁書で請求の棄却を求め争う姿勢を示した。
次回の裁判は9月30日に弁論準備が予定されている。