出没が相次ぐクマについて、3日夜、酒田市の市街地にある寺にクマが出没し現在も本堂の床下にいると見られている。わなを仕掛け、土のうや板を使って誘導しているが、捕獲には至っていない。
クマの出没から約20時間。捕獲作戦が続けられている現場周辺では警察官やパトカーが警戒を強めていた。
3日午後8時すぎ、酒田市若竹町の法輪寺の関係者が防犯カメラを確認したところ、クマ1頭が本堂の床下に出入りする様子が映っていた。
市は3日夜、対策本部を立ち上げ、若竹町とその近隣に防災行政無線で注意を呼びかけた。
警察はクマを捕獲するため、本堂の床下をバリケードで囲み、ドラム缶の箱わなを設置。
それでもクマは床下から出てこず、4日午後1時すぎにはその姿が目視で確認されている。
その後、警察が土のうや板を使って箱わなに誘導しているが、これまでのところ捕獲には至っていない。
警察によると、クマがわなにかかった場合、獣医師が麻酔を打ったうえで朝になってから運び出すという。
現場は最上川沿いの住宅街で、すぐそばには幼稚園、約1.5キロ圏内には小学校や中学校もある。
そのため市は、学区内では保護者や教員と一緒に登下校するよう呼びかけた。
市は近くの住民に対し、建物にクマが入らないよう出入口に必ず鍵をかけること、クマを寄せつける食べ物などを外に放置しないよう呼びかけている。
県内の2025年のクマの目撃件数は171件と、前の年の同じ時期と比べて99件増えていて、過去最多となっている。
またこのうち約2割の39件が市街地で目撃されている。