大黒様のお歳夜もハタハタ不漁...20年前の690分の1の漁獲量で仕入れ苦労 山形・庄内
きょう12月9日は庄内地域に伝わる伝統行事「大黒様のお歳夜(としや)」。鶴岡市の鮮魚店では、朝から縁起物の「ハタハタ」を焼く作業が行われているが、2025年も深刻な不漁でハタハタの仕入れに苦労している。
創業から150年の老舗・鶴岡市本町の梅津鮮魚店では、朝5時からスタッフ総出で作業を始め、くしに刺したハタハタを専用の焼き機で焼いていた。
9日の「お歳夜」は、七福神の大黒様が妻を迎える夜とされ、庄内地方では、卵を抱えたハタハタの田楽や豆づくしの料理を食べて、子孫繁栄や豊作を願う習わしがある。
しかし、ハタハタはここ数年記録的な不漁が続いている。
県内のハタハタは、約20年前の2004年には690トンの漁獲量があったが、ここ数年、深刻な不漁が続き、2024年の漁獲量はわずか3トン。
これは20年前と比べて「230分の1」にすぎない。
温暖化に伴う水温の上昇などが原因とみられていて、不漁は2025年も続いている。
11月のハタハタの漁獲量は、不漁だった2024年と比べても6割程度の約1トンにとどまっている。
そのためこの店では、9日に向けて9月下旬から少しずつ秋田モノのハタハタを仕入れ、急速冷凍してなんとか注文数を確保したという。
(梅津鮮魚店・梅津亮一さん)
「仕入れ値は毎年3割ぐらい上がっている。今後はできるのかなという感じだが、じょうずに脂が乗った所を出して田楽みそをたくさんつけて喜んで食べてほしい」
1匹あたりの価格は、大きさによって950円~1000円。
この店ではきょう1日で650匹を焼き、予約をした人などに販売したという。