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クマ出没「災害級」 体当たりでガラス割られた赤湯小のグラウンドに今度は足跡 県が緊急対策会議 山形

南陽市の小学校でクマの足跡が見つかるなど、県内では連日のようにクマが出没している。これを受け、県はクマ緊急対策会議を開き、クマによる被害について情報交換した。

(リポート)
「クマの足跡が確認されたのは校舎南側のグラウンドの上。柿の木がある方からまっすぐグラウンドを横切って行った、その足跡が残っています」

クマの足跡が見つかったのは、南陽市赤湯小学校のグラウンド。
31日午前7時ごろ、周辺を警戒していた市の職員が発見した。

足跡はグラウンドのすぐそばにある柿の木から点々と続いていて、南陽市は周辺の住民に注意を呼びかけている。

赤湯小学校では、29日早朝にもクマが職員用玄関のドアに体当たりして、ガラスが割られる被害が発生したばかり。
このクマのその後の行方はわかっておらず、きょう学校に現れたクマが同じ個体かはわかっていない。

南陽市は、赤湯小学校を含めた市内6つの小中学校で、30日・31日の登下校を保護者の送り迎えとした。

(赤湯小学校・佐藤政彦校長)
「市の関係機関が総力で捜索・対策をしています。学校でやれることは先生たちと知恵をしぼって取り組みたいが、命最優先で考えなければいけない」

また県内では、30日から31日にかけてクマの目撃情報が相次いでいる。
山形市ではやよい1丁目の住宅地でクマが目撃されたほか、鶴岡市内では複数の目撃情報が寄せられた。

県内では2025年に入りクマの目撃がこれまでで過去最多の1906件と、異常な多さになっていて、10月に入ってさらに加速している。
10月の目撃件数は、26日時点で578件。これは過去最多だった2020年10月の261件と比べても2倍以上の数字。

相次ぐクマの目撃情報を受けて、県は「クマ緊急対策会議」を開いた。
会議には、県や警察・病院関係者などが出席し、クマによる被害状況の確認や対策について話し合った。

(県職員)
「サクランボ・ブドウ・モモ・スモモ・リンゴなどの果樹を中心に被害が生じている」

県によると、県内32市町村で農業の被害が出ている。
農作物以外としては、“やまがた地鶏”などの畜産関係が3つの町、養蜂関係は8市町で被害が出ているという。

今のところ県内ではクマによる死者はいないが、人身被害は9人と過去2番目の多さとなっている(※補足あり)。

また、クマによる人身被害としては「キノコ採り中」が最も多い。
県はキノコ採りで山へ入る場合、クマ鈴やクマ撃退スプレーなど、クマに対する備えを強く呼びかけていくことを確認した。

(吉村知事)
「地域だけで対処できるところと、それを超えている地域もある。災害級のことと思っている」

自衛隊の派遣については、県内の市町村から要望は出ていないが、県は今後、いつでも要請できるよう準備を進めていくとしている。

<補足>
※クマによる人身被害の過去最多件数(年間)は、2010年の11人。