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クマ人身被害「食べるためにねらう・意外と簡単に人間は倒せる」完全にフェーズ変わった...専門家語る 山形

2025年、全国でクマに襲われて亡くなった人は9人と過去最多となり、人身被害の深刻さはこれまでにない事態となっている。専門家は「完全にフェーズが変わった」として警戒を呼びかけている。

10月17日、岩手・北上市の山林で男性の遺体が見つかり、そばにいた約1.5メートルのクマが猟友会に駆除された。

遺体で見つかった男性は近くにある温泉の従業員で、前の日に露天風呂の清掃をしていた。
遺体や現場の状況から、男性はクマに襲われ死亡したと断定されていて、クマに山林まで連れ去られたとみられている。

クマの生態に詳しい森林総合研究所の大西尚樹さんは、この人身被害の発生を受け危機感を示している。

(森林総合研究所・大西尚樹さん)
「完全にフェーズが変わったという印象。普通ではない、まれなケース。クマが食べるために人を襲ったことが確定したわけではないが、『今まで大きくて怖いと思っていたけど、意外と簡単に人間は倒せる』と覚える。そうすると『食べるためにねらう』という発想を持ってしまう」

17日に駆除されたクマを調べた結果、脂肪が少なかったことが判明。
これについて大西さんは1つの見解を示している。

(森林総合研究所・大西尚樹さん)
「駆除された個体の脂の乗りが悪いということは、山の中のえさが少ないということがわかる。完全にクマの生息圏が人間の生息圏に重なり入り込んでいる。山の方がかなり高密度になっている。クマに出合ってしまう確率は、10年前に比べると格段に上がっている」

山形県内の2025年のクマの目撃件数は10月19日時点で1673件と、すでに2024年1年間の5倍に迫る勢い。

2024年まではあまり確認されなかった住宅地や商業地への出没も、ことしは珍しくない。

(森林総合研究所・大西尚樹さん)
「異常ではなく、これが普通になると思う。11月も出没は相次ぐと思うので、少なくとも12月までは警戒したままでいてほしい」

大西さんは「地域にクマを寄せつけないことが大切」だとして
●カキの木から早めに実を取ること
●ごみを前の日に出さず、朝に出すことを徹底する
...など、対策をとるよう呼びかけている。