酒田市の小学校で、芸術や古典芸能を身近に感じてもらおうと、現役の狂言師が「狂言」の魅力を伝える特別授業を行った。
この特別授業は、芸術家と地域がふれあう酒田市の事業の一環で、今回は市内3つの小学校を対象に行われた。
10日、人間国宝・野村万作一門を中心に活動する団体から、狂言師の中村修一さんなど3人が黒森小学校を訪問し、全校児童30人を前に狂言の所作やセリフを披露した。
「狂言は、日常の失敗や"あるある"がテーマなので、状況をイメージして笑ってほしい」と、狂言を見る際のポイントを伝えた。
黒森小学校には、地域の伝統芸能「黒森歌舞伎」に役者として参加する子どもたちもいる。
中村さんのアドバイスを受けながら、狂言の声の出し方や所作を体験していた。
(犬の鳴き声)
「びょうびょうびょう...」
(柿を食べる仕草)
「あむあむあむあむ...」
(児童)
「歌舞伎みたいなきれいなところがあると思ったが、たくさん笑えて、そこが歌舞伎と違った」
「もっと歌舞伎っぽいと思ったけど、笑い声・鳴き声の表現もおもしろかった」
(中村修一さん)
「まず狂言の存在を知ってもらうところから。どうしても古典・伝統芸能は固いと思い込んでしまう部分があるので、楽しい古典芸能だということを認識してもらえたらうれしい」
授業では狂言の代表的な演目「柿山伏」も演じられ、子どもたちは笑顔を浮かべながら舞台に見入っていた。