集落が土砂に飲み込まれた酒田市大沢地区・北青沢では、全壊した住宅の公費解体が進められている。一方で農地の復旧は工事の入札が不調となり、工期が延期になる可能性が出ている。
25日に酒田市北青沢を訪れると、重機による建物の解体作業が進められていた。
被災した住宅と小屋など計41棟が「全壊」と判定され、6月下旬から公費解体が始まっている。これまで9棟の解体が完了している。
建物の公費解体をめぐっては、入札が2回にわたって不調となり、その後、随意契約で業者が決まった。
市は「現時点で解体の遅れはなく年内に完了する見込み」としている。
さらに入札不調となっているのが、田んぼや用水路に溜まった土砂と流木を撤去する農地の復旧工事。
工事の対象は大沢地区の田んぼで、被災面積全体の4割に近い約45ヘクタール。
市は6月30日に公告したが、入札に参加した業者がなく取りやめになった。入札が不調となったことについて大沢地区の農家は...。
(下青沢の農業・相蘇弥さん)
「業者の数は限られているのである程度はしょうがないと言いながら、なかなか進まないのもヤキモキする。長期になるなら補助などの期間もなるべく長期間を見通して考えてほしい」
市は入札が不調になった要因について、「先に道路や水道・河川の工事が始まり、人手が足りないことが考えられる」としている。
また、2025年度中としていた工期を延長することも検討していて、入札のやり直しは8月のお盆以降になると見込まれている。