運転士の退職が相次ぎ、減便運行が続いている山形鉄道フラワー長井線が、地域おこし協力隊を活用して運転士候補者を採用した。今後、さまざまな業務を行いながら「運転士」の免許取得を目指すことになる。
フラワー長井線を運営する山形鉄道では、2025年3月までに運転士など5人が相次いで退職し、4月以降はこれまでの上下24本から16本に減便しての運行を余儀なくされている。
このため長井市などは、「地域おこし協力隊」の制度を活用するなどして将来の運転士となる人材を募集してきた。
その結果、以前は物流会社で鉄道コンテナ輸送に携わっていたという奈良出身の吉田行宏さん(32)が、運転士の候補者として採用された。
7日に長井市役所で行われた着任式では、別の業務を担当する2人の新たな協力隊員と共に、内谷市長から辞令書が手渡された。
(吉田行宏さん)
「小さいころから鉄道がずっと好き。自分の夢をもう1回追いかけてみようと応募した。期待がすごく大きいと感じたので、少しでもこたえられるように頑張って勉強して運転士になりたい」
(長井市・内谷重治市長)
「長井市と山形鉄道は"運命共同体"と思っている。多くのみなさまに利用してもらえるよう、PRも努力していく」
現在、吉田さんは鉄道運転士の免許を持っておらず、免許を取って運転業務に携わるのは早くても2年後の2027年になるという。
山形鉄道は9月、吉田さんとは別に、運転士の免許を持つ県外出身の男性を新たに社員として採用した。
それでも依然、運転士不足は続いていて、今後も減便運行が続く見込みだという。