尾花沢市西原地区では7年前から「カカシ作り」に取り組んでいて、全75世帯のうち7割を超える世帯がまちおこしに協力している。
イスに座りながら腕を組み、仲睦まじい様子で花畑を眺める「オカメとヒョットコの夫婦カカシ」。
堂々たるバッティングポーズで大人気メジャーリーガーを彷彿とさせる「背番号17のカカシ」。
大量の酒ビンに囲まれ楽しそうな様子のカカシなど、ユニークなものから定番のものまで、集落に飾られたカカシの数はあわせて131体に上る。
もともとはタヌキやサルから農作物を守るためのカカシだが、今では地域を明るくする大切な存在となっている。
大河ドラマのキャラクターをモチーフに作られたカカシは、着なくなった着物を使い、やんごとなきお姫様を表現した。
(カカシを作った人)
「これはカーテンのお古を切った。笠は買えないから花笠。我ながら満足。ただ頭だけは本当は帽子が良かった。(Q.これは何で作った?)私の下着。下にゴムを入れて被せた。カカシづくりは生きがいは大げさだが楽しみ」
そしてこの取り組みは、県外にも広がりをみせている。
尾花沢市の友好都市で、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城・岩沼市玉浦地区は、地域を盛り上げるため西原地区を参考に2025年初めて「カカシイベント」を実施した。
(西原地区親睦会事務局・渡辺修さん)
「カカシづくりも西原地区だけでなくいろんな地域に波及し、カカシづくりが始まっている。私たちもうれしいし、玉浦西地区のみなさんにも頑張ってほしい」
尾花沢市西原地区のカカシは10月ごろまで見ることができる。