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【専門家に聞く】なぜ続発? SNSきっかけの自殺ほう助事件...SOSに気づきつながる仕組み作り必要 7/ 1

SNSで知り合った県内の少女を誘拐しその自殺を手助けしたとして、福島の男が逮捕・起訴された事件。なぜこうした事件が後を絶たないのか? 犯罪心理学の専門家に意見を聞いた。

「未成年者誘拐」と「自殺ほう助」の罪で起訴された福島・福島市の無職・岸波弘樹被告(36)。
岸波被告は2024年9月、SNSで知り合った自殺願望のある県内の10代の少女に対し、「一緒に自殺しませんか」などと言って山形市に誘い出し、車で誘拐した。

岸波被告は、少女を上山市の空き家に連れて行き、テントの中で練炭に火をつけ、少女を一酸化炭素中毒で自殺させた罪に問われている。
岸波被告は、上山市の事件のほかにも福島で男女あわせて4人の自殺を手助けしたなどの罪で起訴されている。

なぜ、同じような事件が後を絶たないのか?
「犯罪心理学」の専門家は...。

(福島学院大学・菅藤健一教授)
「こうした犯人のタイプはいくつか考えられます」

<菅藤教授によるタイプ分け>
1)特別意識
 自分は特別な存在だ・平気で人を殺せると考えている
 にわかには信じがたいが、そうした優越感や使命感を持っている
2)メサイヤコンプレックス
 メサイヤ・メシアは"救世主"
 それになりたいという強い欲求・妄想にとりつかれる心理状態
 自分は他者を導き救う特別な使命を持っていると信じて行動をしようとする

福島の事件では、自殺願望のある少女との「不同意性交」の罪にも問われている岸波被告。
死にたいと思う人の気持ちにつけ込んで、自らの欲求を満たす側面もあるという。

(福島学院大学・菅藤健一教授)
「自殺する人から得られる財産目的・性的欲求の満足なども当然ながら私は想定するべきだと思う。人の手助けをしたい・手助けをすることで自己肯定感を高めるといった問題以外に、"もっともっと悪質な犯罪的な動機がある"と思っている」

ネットには、若い女性などによる自殺願望の書き込みがあふれている。
そこに書き込む人は、「助けを求めている」と菅藤教授は指摘する。

(福島学院大学・菅藤健一教授)
「2017年の事件、先日死刑執行された神奈川・座間市で起きた男女9人の遺体が発見された事件があったが、この事件以来、自殺勧誘を有害情報と定め削除を要請するようになった。2024年は6582件の自殺の書き込みのうち4986件が削除された。書き込みは『誰かにSOSを気付いてほしい』と助けを求める気持ちから。死にたくて書き込んでいるわけではないと考えていいと思う」

菅藤教授は、次の被害を防ぐために、ネットで助けを求める人と悩みを聞く人・ボランティアがつながれる仕組みづくりが欠かせないと話す。

(福島学院大学・菅藤健一教授)
「今の若い子たちは"周りの子と自分が違う"ことを本当に心配している。周りと同じでないとダメ。それが非常にストレスになっている。そういった痛みを理解してあげないといけない」

生きるのがつらいと感じる人は、電話・LINEで専門家に相談することができる。
<主な相談窓口>
■いのちの電話 023-645-4343
■こころの健康相談@山形 LINE
ほかにもたくさんの相談窓口がある。
悩みを抱えて困った・相談したいと思う時は、ネットに書き込む前にとにかく専門家に相談してほしい。





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