県警は、7月の大雨で2人の警察官が犠牲になった詳しい経緯を明らかにした。あわせて水害の際の警察官の安全対策の方針も示している。
7月25日の大雨では、住民からの救助要請を受けた新庄警察署の佐藤颯哉巡査部長と玉谷凌太巡査長が新庄市本合海の現場に出動し、はん濫した川の水にパトカーごと流され犠牲となった。
県警は2日、パトカーから回収したドライブレコーダーの映像などからわかった「2人が殉職した詳しい経緯」を県議会に報告した。
それによると、2人が乗るパトカーは25日午後11時33分ごろ冠水している道路に進入し、救助を要請した車両を確認した直後に流されたという。
その間は5分ほどで、冠水した道路の水位は約80センチだった。
また、パトカーが流された約30分後、現場近くに到着したほかの新庄署の警察官が、佐藤巡査部長がライトを振って助けを求める様子を確認し、電話で励ましの言葉をかけていたこと。その後、佐藤巡査部長の110番通報で、「パトカーから出たが流され、玉谷巡査長とともに何かにつかまっている」と説明があったことなどが明らかになった。
この事故を受け、県警は水難救助事案を想定した運用ルールの見直しを検討しているほか、毎年7月25日を「災害警備活動と警察職員の安全を考える日」に制定し、殉職事案の伝承と災害警備に関する教養・訓練などを行っていくという。