田んぼを元気に泳ぎ回るアイガモ。物価高をよそに最上町の農家が取り組む有機栽培がいま注目を集めています。
最上町富澤の奥山勝明さんの田んぼです。
放たれたのはアイガモたち。
泥を攪拌しながら食べているのは雑草や虫です。
農薬を使わずに安全でおいしいコメを作る「アイガモ農法」。
奥山さんは20年ほど前から続けていますが、農業コストが高騰する中、 改めて注目を集めています。
(奥山勝明さん)
「国の農政局、県ブランド米推進室と町、相次いで視察に来た」
もちろん、62羽のヒナの購入費やエサ代、寒さ対策のヒーターやこたつ。外敵からアイガモを守る電気柵の設置費用などコストはかかります。
でも、それとは比べものにならない物価高に農家は悲鳴を上げています。
(奥山勝明さん)
「ロシア産の肥料が94%値上げ。トウモロコシなどのエサは1トン当たり約1万3000円の値上がり。農家みなさんがそれぞれ辛い思いをしている」
今、最上町でアイガモ農法を取り入れているのは奥山さんただ一人。
国などは有機栽培に取り組む農家に助成金を支給していますが、対象は「2人以上」のグループ。
視察に訪れた国や県の担当者に奥山さんは支援策の拡充を求めました。
(奥山勝明さん)
「何とか期待に応えられるようにさらに1枚増やしてカモが往き来できるようにしたい気持ちはある」
奥山さんのアイガモ農法は穂が出始めるお盆頃まで続きます。