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堤防なしで浸水被害 揺れる山形・大江町 景観か治水か 8/ 4

7月の大雨では大江町でも住宅への大きな浸水被害がありましたが、実はこの地区には堤防がありません。度重なる浸水被害に景観を重視してきた住民たちも新たな選択をしていました。

 

(記者)
「大江町左沢。道路一帯を覆っていた泥は撤去されているが乾いた泥で地面が汚れている。災害ゴミの集積所には泥まみれのゴミが散乱していて撤去が間に合っていない」

 

大江町では氾濫した最上川の水が流れ込み、住宅への浸水被害が相次ぎました。こちらは1階部分が水に浸かった地元の温泉旅館です。テラスの扉を突き破って高さ2メートル程まで濁流が押し寄せ、客室の床や廊下は泥に覆われました。

 

4日に訪れると、泥はきれいに片づけられていました。一方で温泉を出すためのポンプやボイラーが水に浸かり、自慢の岩風呂は使えない状態です。

 

(あてらざわ温泉湯元旅館女将・柏倉京子さん)
「お風呂は本当にまだまだ。9月に再開できればと思っているが、道のりは遠いなと思っている」

 

旅館のある百目木地区は町内でも特に被害が深刻で、25棟のうち21棟が床上・床下浸水しました。実はこの地区、最上川沿いにもかかわらず堤防がありません。その理由は最上川の歴史と深く関わっていました。

 

(町民)
「堤防は意識していたが、絶対必要だとは思っていなかった。眺めもいいし川も見えるし」

 

かつて最上川舟運が盛んだった大江町。最上川を中心としたその美しい景観は国の重要文化財にも指定されています。1967年の羽越災害で大きな浸水被害に見舞われても、景観を重視した生活を選んできました。

 

(大江町総務課・五十嵐大朗課長)
「国と町で堤防を築く提案をしたことはあったが、地元の人の愛着があるということと水害を踏まえて、住宅を改修したりなど対策を講じているということで、反対の意見が多く実現しなかった」

 

ピロティ式の住宅に改修するなどして対応してきましたが、ここ数年大雨が続いたことで住民の考えも変わってきています。景観を売りにしてきた旅館の女将も今回の大雨で堤防の必要性を感じていました。

 

(あてらざわ温泉湯元旅館女将・柏倉京子さん)
「目の前に川が流れて(花火大会では)灯篭も流れてというのは他では見られない。だけど毎年のように被害が出るから、堤防があったほうがいい」

 

地区としても去年の台風19号の後、堤防設置の要望書を町に提出し、早急な工事を求めています。

 

(左沢一区会長・鴨田徳康さん)
「堤防がどういう場所にできてくるとか、各論になってくればそれは移転はいやだとか、いろんなことが出てくるかもしれないが、今の段階で堤防が必要だというのが地区の総意」

 

(大江町総務課・五十嵐大朗課長)
「当然景観も大事だが、命とどちらが大事なのかという議論にもなってくると思うので、町としても地元住民の方の意見を聞きながら、再度要望書を提出するのかも含めて、今後協議していきたい」

 

住民の声も踏まえながら、町では今後景観に配慮した堤防づくりを国に提案していく考えです。





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