生きるよすがを求めて ~映画監督 村川透のふるさと納税~ 5月25日(金)よる7時放送

「人生100年時代」。
高齢化が進む日本ではここ数年、「終活」という言葉が盛んに使われている。
自分らしい最期とは何か。
多くの人が自身の人生と向き合い答えを探している。

山形県村山市出身の映画監督・村川透(81)もその一人。
およそ60年間、映画とテレビドラマの一線で活躍してきた。
脚本の枠を超える演出で日本のハードボイルドの礎を築き、
名優・松田優作を主演に抜擢し「蘇える金狼」「野獣死すべし」などの
アクション映画を作り上げた。
またテレビドラマの「探偵物語」「西部警察」「あぶない刑事」などのヒット作を
通じて、国民にあまたの“娯楽”を届けてきた。

そんな村川にとっての“終活”は故郷への恩返しだ。
他の地方都市同様、村山市もかつてのようなにぎわいは失われている。
そこで数年前、村川は老後の資金をつぎ込み空き家となった生家を改装して、
小さなホール「アクトザールM.」を市民に開放した。
誰もが利用できるそのホールでは、以降、音楽鑑賞会やうたごえ合唱会、
映画の上映会といった様々な催しが行われている。
しかし村川が「アクトザールM.」に込めた思いは“単なる場の提供”ではない。
真の狙いは村川の哲学に基づいた「ただ一つの運営ルール」に凝縮されている。

そして2017年秋、村川は長年の東京暮らしに区切りを付け
故郷へと戻ることにした。
「アクトザールM.」の活動を見届け、映画界で得た“人生の楽しみ方”を
後世に伝えるために。
この恩返しには終わりがない。番組では村川の終わりのない“終活”を追った。